「なあ、桃」 「どしたのお兄ちゃん?」 パパに挨拶を終えたお兄ちゃんが、険しい顔をしながらあたしに近付いてきた。 「お兄ちゃん…?」 お兄ちゃんは黙ってあたしの手を引くと、和室から出て行こうと歩き出した。 …嫌なことが起きる予感がする。 こういう時の直感って、イヤな程に当たるから、困ったものだ。 「ね…ねえっ!!」 .