「なあ、桃……」 遼平さんが、そっとあたしの髪の毛を触る。 そんな遼平さんの仕草すべてが、 愛しく感じた。 「この絵本な、 俺ら菅谷家に、代々伝わるモンなんだよ」 「えっ…………?」 そんな大事な物を、 なんであたしなんかに――― 「なんで桃にあげたか分かるか………?」 「分かんない………」 戸惑い気味のあたしに、 遼平さんはスラスラと言葉を並べ始めた。 「今日、 僕と将来を共にする予定の女性が来ています」 .