遼平さんは、不機嫌そうな表情を崩さずに「なんでもねーよ」と呟いた。 「あっそ。俺らは退散するな。桃の事サンキュー」 言い終えると、お兄ちゃんがあたしにお礼を言えと言わんばかりにジロジロ見てきたので、 「…どーも、お世話になりました」 小さな声で、そう呟いた。 でも、お礼なんか言うようなことをされた覚えがない。 どっちかって言うと、警察に突き出してやりたいくらいだ。 「じゃーな、遼平頑張れ」 そんなお兄ちゃんの言葉と共に、あたしは遼平さんの元を去った。 .