あたしは今にも泣きそうになる。


目の前には知らない人がいるし、何故かお兄ちゃんがいないし。



もしかして…誘拐されたっ！？


突然浮上した誘拐疑惑にぶるぶると震えていると、男の人は突然お腹を抱えて笑い出した。


あたし…何かしたっ！？




「初めまして、幸也の妹さん」



「へっ！？」




もしかして…。




「俺、幸也の友達の菅谷遼平って言うんだけど、名前は？」




…びっくりした。

お兄ちゃんの友達だったんだ。




「あたしは…佐々木桃です」




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