だから――― この時間だけでも十分だから、 遼平さんのことは忘れよう。 「佐々木さん………」 「野坂君……!!!」 舞台裏に移動している途中、 すっかり王子様っぽくなった野坂君が、あたしに話しかけてきた。 あきらかに不安な表情の野坂君。 そりゃそうか。 さっきまであたし、泣いてたしね。 「野坂君、さっきはごめんね? 今日は頑張ろうねっ!!」 「あっ…、ああ…………」 やっぱり。 野坂君もひびきと同じリアクションだ。 .