「しょーがねーなぁ、桃。

お前、ちょっとここで休んどけ。俺はちょっと用があるから」




お兄ちゃんは言いたいことだけ言うと、そそくさと車から離れてしまった。




「お兄ちゃんのバカ…」




吐きそうなのに。

頭クラクラするのに。


そんな可哀想な妹を、車内においてけぼりにするなんて、信じられない。



あたしは今にでも消えそうな意識の中でそう呟くと、深い深い眠りの中へと入っていった。




桃side♀
「お兄ちゃんの陰謀」END.