うさぴょん号発進せよ

目の前にいるのは、幼い頃によく一緒に遊んでくれた伯父だった。

トヲルが大学へ入学する直前からは疎遠になってしまっていたが、確かに伯父だった。

「しっかりしろっ!」

《其方、どうしたというのじゃ》

コウヅキとペルギウスの声が、同時に聞こえてきた。肩を強く揺さぶられたトヲルは、漸く我に返る。

「あ、ご、ごめん」

すぐに謝ると、虚ろな目をコウヅキに向けた。コウヅキはその表情に、顔を曇らせる。

「もしかして伯父さんって、最初に借金で逃げたお前の…あの伯父さんか?」

《其方、顔色がいつもより青いぞよ》

ペルギウスも肩から心配そうに、顔を覗き込んでいた。

(行方不明だった伯父さんが、こんな状態でいたなんて…)

これ以上は考えることの出来ない、最悪な予感が頭を過ぎる。

と、トヲルの手に何かが触れた。見るとミレイユが震える小さな手で、トヲルの手を握り締めていたのである。

顔を伏せていたので表情までは分からなかったが、手から伝わってくる温もりだけは感じることが出来た。

「ねぇ、おトモダチになろうよ」

突然声が聞こえてきた。勿論、この中の誰でもない声だ。