不自然な色に染まった長い髪が彼女の動きに従って大きく揺れた。

その勢いで彼女の手からコントローラーが抜け、俺の方へ飛んでくる。

俺は飛んできたコントローラーを右手でキャッチした。まだ、壊れていないようだ。

彼女はコントローラーが手に無いことなど気付いていない様子で、二重の大きな瞳はヨシダを捕らえ、赤い唇を尖らせる。

年齢からいうとやや幼さの残る顔立ちに、眉間にしわを寄せ不満の表情を浮かべた。

リッカへとコントローラーを差し出すが、彼女はそれを一瞥しただけで受け取らず、ヨシダへと食いつく。

「何で、何で? だって、コレ、絶対おかしいよね?」

コントローラーを手放し、空いた手で『コレ』を指差した。