「どうして?」


「お前は俺様が連れて行くから」


今にも泣き出しそうな声を出すと面倒くさそうに言う。


「じゃあ、一緒に行かない」


そう言って反対方向に歩き出す私の襟足をつまむ。


「バーカ、お前に選択肢なんてある訳ないだろ。でも、まぁ、俺様も鬼じゃない。ちょっとだけ待ってやる」


「あぁ、ちょっと?」


「あぁ、お前が、16になったら攫いに行く」