ヤツは僕をぽぃ、と荷物を放り込むように、デッキにたたきつけた。

 ヤツの力にひとたまりも無く。

 僕は廊下よりも更に人気のない甲板の床に転がった。


 ……ゴッ。

「……っ!」

 アタマを床に打ちつけ、呻く僕を引きずり起こして、ルシィが、聞く。

「それで?
 坊主は、何をやったんだって?」

「……やかまし……っく!」

 ばしっと音を立てて、頬を張り飛ばされた。

「……それで?
 蒼(ソウ)・キサラギ?」

 くそ。

 僕の本名を知ってるなら、本当は、何でも知ってるんじゃねぇか?

 僕を使って、遊んでいるのか?

 コイツは!

 睨んでやると、ルシィは、もう一度拳を振り上げた。

 ……けっ!

 そんなに知りたけりゃ、教えてやるさ。

 僕は、手錠を振って、立ち上がると、言った。


 僕の。



 僕の罪は。



「………殺人だ」




 しかも。






「僕は、大量殺人犯だ。
 あんまり僕にかまうと、お前も殺す。
 ……これで満足かい?
 ルシィ?」