残酷天使のララバイ~The last love songs~

「……!」

 あまりに腹をたて。

 フツーにしゃべるためには、一度深呼吸しなくてはならない僕に、刑務官はにやにやと笑った。

「何が欲しい?
 早く言わないと、締め切るぞ。
 ハイスコアを獲得したヤツは大抵。
 タバコや、酒を欲しがるが、お前は未成年だから却下だ。
 それに、オペレーターのプラチナとデートってのも無しだ。
 ジュエリーナイツだからって、犯罪者は信用ならないからな。
 お子様のくそチビには。
 ジュースか、甘い菓子か……もしかするとミルクあたりが丁度いいかもしれないな」

 くそ、出来ることなら、てめーを一発殴ってやりたいぜっ……!

 思わずわめきたくなる、ココロの声を抑え込み、僕は言葉を絞り出した。

「……外へ出せ」

「ああ?」

「希望は、前回と同じ。
 どんなに狭くても、汚くてもいい。
 空が見えるジュエリー・スターのどこかの甲板で、なるべく長く外に出ていたい」

 僕の希望に、刑務官は肩をすくめて言った。

「相変わらず、変なやつだな。
 ま、こちらとしては物資が減らなくていいけどな。
 ……では、五番デッキに30分だ」