それから、僕は。

 ずっと。

 ずっと長い間眠っていた。

 思い出した記憶と。

 蒼・キサラギの記憶が、ぐちゃぐちゃに絡み合い。

 目覚めていると……いや。

 本当に目が開いているだけで、めまいを起こしていた。

 何しろ。

 地球人と、エメラルド星人では、言葉や、生活習慣だけじゃない。

 カラダの造りまで違っているから。

 不安定な記憶を抱えた今では。

 バトル・パートナーを操るどころか、普通に歩くのさえ、難しい。

 だから。

 茜と……いや。

 敵のパイロットと、不用意に接触した罪で。

 記憶の反乱で、動けなくなった僕自身は不在のまま、軍法会議にかけられ。

 独房に禁固、二週間を言い渡されたのは。

『僕』を知っいて、庇ってくれる人びとの方からの、配慮以外、なにもでもなかった。



『Hey--Boy--!
 Meの機体は治ったぜ?
 後は、You次第だ』

 味も素っ気も無い部屋に唯一ある家具。

 固いベッド柵に引っかかったエンゼルのコアが明滅する。