「……三十分のはずじゃないか、この!」

 僕を外へ。

 ジュエリー・スターの甲板へ連れ出した刑務官。

 ルシィへの口答え、とかって言う、何だか良くわからない理由で。

 後からやって来た年長の刑務官に、約束の時間をさらに半分減らされた。

 まだ、休憩時間が残っているらしいルシィは甲板に残っているのに。

 僕だけ、面白くもない自分の部屋に、帰されてしまった。

 どん、と背中を押されて個室……と言えば聞こえはいいけれど。

 実は独房でしかない、自分の部屋に。

 乱暴な年長の刑務官に追い込まれた。

「……ってぇな!
 酷いじゃないか、一方的に!」

 転ばされて床に手をつき、見上げれば。

 電子警棒を持った刑務官が、口の端を歪めて手を振りあげた。

 次の瞬間。

 とりあえずは、まだ電気の入っていない警棒が、ものすごい勢いで迫ってくる。


 ガッ!


 僕は、とっさに避けたものの。

 首から下げている、エンゼルのコアだけを薙ぎ払い。

 その鎖を切って、てんてんと床に転がした。

 エンゼルのことは、大嫌いだったけれど。

 その、あまりの乱暴な扱いに、僕は思わず目を見開いた。