「約束した理由?」


「ああ。」


あれは、もう15年以上も前のことだ。


俺はお袋に連れられて、美和のお母さんがやってるお菓子作りの教室に来ていた。


「あら、今日は美和ちゃんもいるのね。」


「はい。家に誰も居なくなるんで連れて来ちゃいました。」


そう美和のお母さんが答えた。


「龍ちゃん。美和ちゃんよ。」


「美和ちゃん?」


「先生の子供さんなの。」


「ふーん。」


「龍矢君。なかよくしてくれるかしら?」


「うん!」


「よかったわね。龍ちゃん、お兄ちゃんじゃない。」


「うん!」