ごめんって。


何回言えばいい?


何回言っても、足りないよ。


帰りのホームルームのとき。


「立花さんは、このあと数学準備室に来てください。これで終わります。」


そう言って、龍矢は教室を出て行った。


「失礼します。」


準備室には、龍矢しかいなかった。


「美和、おいで。」


龍矢の前に進んで行く。


「ちゃんと聞け。」


「うん。」


「俺が教師辞めるのも、こうやって噂がたったのも、美和のせいじゃない。」


龍矢はまっすぐ、私の目を見てきた。


「わかるな?」