と、その時。

 親父と弟の雄介が一緒に帰ってきた。

 

 親父は公務員。

 雄介は野球部に所属している中二小僧。反抗期真っ盛りだ。


「ただいま~」

 二人声をそろえて言う。

「おかえんなさぁーい。ご飯出来てるわよー」

 おふくろは嬉しそうに答える。





「あ~腹減った」

 と言いながら荷物を投げ出してリビングにやって来るが、彼らもまた、腹の虫のざわめきが急におさまったようだ。



 二人とも目が点になっている。

 まるでお化けでも見たかのように。


「な、なんだ…?コレは…」

 親父が、恐る恐るおふくろに尋ねる。

「えぇー?ハンバーグにプリンとホイップクリーム乗っけたやつ」

「いや、そんなん見たら分かるよ!」

「じゃぁ、何?」

「何?……って」

 親父は、雄介の方を向いた。

「なぁ」

「あのさぁ、オレに振らないでくれよ」

 雄介はむっとした表情で親父を見た。

「わ、悪い…」

「さ、食べましょ」

 おふくろは嬉しそうに、オレ達三人を席に座らせた。