やっと目的地に着く。
神様に上げるためのお酒を、近所の雑貨屋で買い、老人の家を訪ねる。
「ごめんくださーい」
玄関の鍵は掛かっておらず、声を掛けるも返事はない。
仕方無く、何処かで時間を潰そうと来た道を戻っていると、自転車に乗った老人とすれ違う。
老人は、私達が訪ねた家に入ろうとしている。
「すみません…。遠藤さんですか?」
「あぁ、電話して来た人かね?」
「はい」
「すまないね、海に行ってたもんだから。遠い所良く来なさった。中へお入り下さい」
家に上がった途端―。
「アンタだね、先ずはここに座りなさい」
そう言い、私を見た。
電話をしたが、どんな状況なのかは一切話していない。
なのに、遠藤さんは、母には目もくれず、私に話掛けた。
「最近アンタの近しい人が亡くなってないかい?親戚とか仲良くしてた人とか」
遠藤さんは淡々と話す。
「男の人だ。30代前半。うーん、病気で亡くなっとる」
ポロポロと零れ落ちる涙―。
「たかさん…」
「やっぱり、知ってる人じゃな?」
「はい」
「じゃあ、わしは用意してくるで、少し待ってて下され。
神様に上げるためのお酒を、近所の雑貨屋で買い、老人の家を訪ねる。
「ごめんくださーい」
玄関の鍵は掛かっておらず、声を掛けるも返事はない。
仕方無く、何処かで時間を潰そうと来た道を戻っていると、自転車に乗った老人とすれ違う。
老人は、私達が訪ねた家に入ろうとしている。
「すみません…。遠藤さんですか?」
「あぁ、電話して来た人かね?」
「はい」
「すまないね、海に行ってたもんだから。遠い所良く来なさった。中へお入り下さい」
家に上がった途端―。
「アンタだね、先ずはここに座りなさい」
そう言い、私を見た。
電話をしたが、どんな状況なのかは一切話していない。
なのに、遠藤さんは、母には目もくれず、私に話掛けた。
「最近アンタの近しい人が亡くなってないかい?親戚とか仲良くしてた人とか」
遠藤さんは淡々と話す。
「男の人だ。30代前半。うーん、病気で亡くなっとる」
ポロポロと零れ落ちる涙―。
「たかさん…」
「やっぱり、知ってる人じゃな?」
「はい」
「じゃあ、わしは用意してくるで、少し待ってて下され。