「で、どこ行く?」 放課後。 尋ねた俺に菜瑠は目を輝かせてこう言った。 「駅前のケーキ屋っっ!!!」 ………。 「お前…俺に礼する気ないだろ。」 普通ちょっとくらいは気使って俺の行きたそうなとこ選ぶってもんじゃ…。 「あ、そっか。ごめんね。忘れてたあ!」 おいっ。 だけど目尻を下げるように困った笑い方をする菜瑠に俺はやっぱりやられてしまう。