あたしはそんな気持ちをゆきに持っている 





あの人に出会ってから 




あの人を好きになってから



ずっと、ずっと 




ゆきに謝っている 




心のなかで、毎日、毎日 



ゆきに隠し事なんかしたくない 




でも、簡単に教えることもしたくない… 








そんなことをずっと考えながらゆきと下校した 




だから
ゆきと何を話したかあんまり覚えてなかった





「じゃーね。ばいばい」




ゆきの家に着き、手を振って別れた 







あたしは自分の部屋に入りため息をこぼした 




「今日も言えなかった」




最近のあたしはどうかしている 




何をしていてもあの人がいる 




それは別にいつものことだけど 



ほかにゆきが頭のなかにいる 




「伝えたい」


けど 

「伝えたくない」



そんな気持ちがグルグル渦巻いて何も考えられなくなる 




だからあたしは… 



どうしたらいいのか分からなくなる 





苦しい



すごく苦しい




誰にも助けて欲しいけど、


誰にもわかってくれるわけない




そんな諦めがあった…