彼の甲子園までの道のりにあった大きな石。 それがあたしだった。 大きな壁は、これまでに幾度となく彼の前に立ちはだかってきただろう。 その度に彼は乗り越えて、前へと進んできた。 こんなところでつまずくわけにはいかない。 彼の3年間は野球のためにある。 分かってたことだった。 分かってることだった。 彼への気遣いを忘れてしまったあたしへの報いだった。