王子様のお姫様

大太君は私のほっぺから手を離すと急に真面目な顔をした。


「俺、姫子が今までどんな思いしてきたか分からないんだ。…だから……だから、少しでも分かってやりたい。」


私も分かって欲しい…。


「話せる範囲でいいから、今までの事話してくれる?」


この人になら、何でも話せる……。

この人に、今までの私の悲しみや淋しさ、全部分かってほしい……。


「……話せる?」



「……うん…。」