2009年10月28日(水)
 マキオは家の外から聞こえてくる騒々しさに目を覚ました。
「何かあったのかな?」
 外の様子を伺おうと部屋のカーテンを開け、その状況を目にするなりすぐにカーテンを閉めた。
「マスコミ!?」
 マキオは昨日出会った男のことを思い出した。
『マスコミが飛びつかないはずがないよね?あるいは僕がリークすれば、ね』
「あの男が言っていたことは本当だったのか……!」
 マキオは部屋を飛び出して父がいる書斎に向かった。
“コンコン”
「真樹夫です」
「入れ」
“ガチャッ”
「父さん。これはどういうことですか!?」
 マキオは書斎に入るなり父を問い詰めた。真っ先に目がいったのはその右腕。袖口から包帯が覗いていた。
「アレでは隠しようがないか……」
「質問に答えて下さい! 指名手配されてる木嶋悟史が父さんの生徒だったって本当ですか!?」
「ああ。本当だ。もう13年も前のことになる……」
「どうしてこんなことに……!?」