青葉会総合病院――
 マキオは入口の自動ドアを抜けると、玄関からすぐにある受付の待合室で深刻そうな顔をしながらソファーに座っているショウとカナの姿を見つけた。
「ショウさん……。カナちゃん……!」
「マキオ。やっぱり来たか」
 まるでマキオを待っていたかのような口ぶりでショウが立ち上がった。。
「リュウが、リュウが……嘘でしょ?」
 マキオは今にも泣き出しそうな声でショウにすがった。
「嘘だよ」
「えっ?」
「あれは誤報だ」
「誤報? だってさっきテレビで……」
「テレビだってたまには間違った情報流すことくらいあるだろ。確かにここに運ばれはしたけど命に別状はないってさっき医者が……。今は病室で眠ってるよ。それにリュウはあのくらいで死ぬようなタマじゃねぇだろ? 俺達は今まで何度も修羅場をくぐってきたんだぜ。今回だって大丈夫さ。明日になりゃケロッとしてるよ。アイツは不死身だかんな」
「……」
 予想外に軽いショウの口調にマキオが困惑するのも無理はない。
「心配すんなって。お前、明日も試験なんだろ? だったら今日はもう帰ったほうがいい」
「でも……」
「リュウに言われてんだよ。もしマキオが来たら追い返してくれって。ヒトの心配しねぇでテメェの心配しろってさ。なっ、カナちゃん?」
 ショウはカナに同調を求めた。
「うん……」
 カナは消え入りそうな声で応えた。