「美優!瀬名くん!お疲れ様~!2人のおかげでお客さんの数スゴかったよ~!」


教室に入るなり、ピンク色に包まれた咲が駆け寄ってきた


「ほんと?良かった…」


「……?…美優っメイク直しに行こっか!」


あたしの顔を少し覗き込んでから、咲はそう言った


そして咲はクラスの子に休憩してくると告げメイク道具を持ってあたしの手を引き、模擬店に使っていない図書室に向かった



学校中が賑やかなのに、図書室は誰もいなくてとても静かだった


咲は窓際の椅子にあたしを座らせて、あたしの涙で少し落ちてしまったメイクを直しながら静かに話した



「…何か、あった?」