あたしが鞄を持って椅子から立ち上がるのを見て、田島君は申し訳なさそうに眉を垂らして言った。


「俺が代わりに送っていきたいけどまだ部活あるから…。
ごめんね。気を付けて帰ってね。」


田島君はそう言うと、教室の扉を離れて部活に戻って行った。


あたしは田島君がいなくなってから小さく溜め息をつく。


シュウをまた怒らせちゃった。


もう、前のように戻れないっていうのは分かってる。


でも、一緒に過ごしてきた時間が長すぎて今更シュウを男としてみれないんだ。


シュウの事好きだけど、異性の好きとは違う気がする。


なのに、幼なじみとして一緒にいたいと思う。


そう思うのは都合良すぎるのかな。