プルルルル……



家に帰って早速、電話をする。

相手は遼。




あたしは遼に伝えなくてはいけないことがあるんだ。


悩んで悩んで見つけた答え。





誰に教えてもらった答えではなく、
自分で見つけた答え。





『―もしもし。舟本です』


遼の声がした。




「遼?……あたし、美緩」

『―美緩??……どした?』




ごめんね……遼。

これがあたしの出した答えなんだ。




「遼……あのね…?


あたしと…別れてほしいんだ…」




『・・・・・』



沈黙になる。



「……ごめん…自分勝手だけど…


あたしね…?

他に好きな人ができたんだ…」




『―…………そっか…

別れたくはないけど…
仕方ないよな…

美緩、今までありがとな?



大好きだよ…』




プツッ
ツーツーツー…




電話が切れた。

不思議と涙が零れていた。



遼の声が泣いていた。

ごめん……ごめんね…




遼を傷つけた。

あたしは最低だよ。




自分のために周りを傷つけた。




だけど……
これでよかったんだよね?


梨杏……。




『自分が幸せな方を選んで』

梨杏の言葉。




たくさんたくさん迷った。
たくさんたくさん泣いた。
たくさんたくさん笑った。



そして見つけた答えなんだ。


あたしは…最低最悪かもしれない。




でも最後に。


遼……幸せになってね。







外に出る。
春の風が肌に心地よい。







空を見上げて深呼吸。




大好きだった君に届け。


あたしからの最後の想い………