「美雪ちん

おはよーぅ」


隣の隣から明るい声が聞こえてきた。

「おはよー、悠太」

ひょいとベランダから顔を覗かせた。

悠太も同じことをしていて、あたしを見るとにかっと笑った。


「今日は寒いね?」


悠太はいつも朝にこの台詞を言う。


今日は暑いね?とか今日は普通だね?とか。


「そおだね」


あははと笑って洗濯物を干す作業を続行させた。


悠太にしたらつまらなかったらしく

少しふくれて


「美雪ちんはなんでそんなに冷たいのさ」


口を尖らせながら言った。冷たいってほどじゃないけど…

「ミケと遊びたいから、そっちに行ってもいい?」