──────── ピンポーン 夜も更けた静かなアパートに大きな呼び鈴の音が響いた。 「…はい」 だるそうな声と共に、ドタドタという音が聞こえた。 古ぼけたドアは軋みながらあたしを出迎えた。 「…美雪ちん」 懐かしい愛しい声があたしの耳に飛び込んだ。 「悠太………っ」 言いたいことはいっぱいあるのに喉から出ない。 時間だけは流れて5分くらいたったときだった。 「……どうかした?」