「美雪ちーん」






いつもの明るい声がベランダから聞こえた。


あたしはガラガラとベランダの戸をあけて、顔を覗かせた。


「おはよ」


いつも悠太の元気な声であたしも元気になれる。


朝にこの声を聞くと、頑張ろうって思えるんだ。


「おはよ。あ、美雪ちん!今日夕方さ、時間ある?」


えっ?

一瞬ドキッとしたけど、家の留守番かなんかを頼みたいのだろう。

深く考えないほうがいいよね。


「うん、多分大丈夫だよ」



「ありがと!じゃあさ、俺も仕事終わったら迎えに行くから…えーと…

ケー番教えて」