かちゃっと静かにドアが少しだけ開きました。 ラムはその瞬間、顔をまくらにうずめます。 こんな泣き顔、お兄ちゃんには見せられません。 ですが、見られる心配はどうやらないようです。 ドアの開く時の音がすぐに途切れたので、お兄ちゃんはきっと隙間を作る程度に開けているだけでしょう。 「……ラム?」 お兄ちゃんがそう話し掛けてきました。 ラムは、早くお兄ちゃんが出ていくように心のなかで願いました。 「ラム、大丈夫か?」