「あ、犬の散歩してる人がいる!」 ふと、ラムがそんなことを言い出した。 「お兄ちゃん、ちょっとききこみしてきて。」 とも言ってきた。 「……は?」 兄は反抗する。 「なんで俺が見に行かなくちゃならないんだよ!?自分で見に行けばいいだろうが!」 「あ゙ぁ?そういうのお兄ちゃんの役目でしょ?」 二人は、互いの顔がくっつきそうな勢いでにらみあった。 ラムは涼しげな挑発的表情で、兄は怒りをそのまま表したようなけわしい表情で……。 「お前行けよな!」 「お兄ちゃんが行ってよ!」