だらしのなさは二人とも一級品だ。(とくに、ラムは一級品、いや、段と言っても過言ではない程である。) そんな二人を動かす事件が、この日突然姿を表した。 それはお昼前、11時をまわったすぐのこと。 ぴりりりり…… ぴりりりり…… 「お兄ちゃん、電話とってぇ……」 「台所の方が電話に近いだろボケ……」 二人にいつもの元気はない。 弱々しい会話は、セミの鳴き声の中に消えていった。