勇気を出して。 「……私を家まで送ってください」 私は、先輩にそうお願いしました。 「わかった、家までゆいちゃんを送るよ!」 先輩はこころよく私のわがままを聞いてくれました。 「ありがとうございます、先輩!」 私は熱くなってきた顔を隠すようにお辞儀をしました。 そして先輩にチケットを握らせると、私は少し先まで走って行って振りむき、 「さ、いきましょ?」 そう誘います。 「わかった、行くか!」 先輩も歩きだしました。