なんて正直な人なんでしょう。 ますます好きになってしまいます。 「普通なら心配させないよう、うそをつく場面ですよ?」 私も正直に答えます。 小さめに言ったので、先輩は「え?」と、聞き取れなかったようです。 「いえ、なんでもありませんよ?」 私はそう不安そうな先輩に笑顔を見せ、今日、一緒に見るはずだった映画のチケットを渡します。 「先輩、せっかく来ていただいたのにごめんなさい!私のうち、門限にうるさいからそろそろ帰らなくちゃいけないんです」