「うるさいな、なんでもいいじゃん」


「なによその口の効き方は」


キーキー言葉を発するお母さんはシカトして、あたしは再び携帯をいじりだした。


舞子と飲みにでも行こうかな。


ブリーチ剤を洗い流すと、あたしのセミロングの髪は綺麗な金髪になっていた。


キラキラ光ってとても綺麗だと思った。


ドライヤーで髪を乾かして部屋に戻る途中、お母さんに見つかった。


お母さんはあたしの髪の毛を見た途端に目をつり上げて、


「ちょっと何やってるのよ!今すぐ戻しなさい!」


と、あたしの髪の毛をつかんで叫んだ。


あたしはその手を振り払う。


「痛い。触らないで」


次の瞬間、頬に思い衝撃を感じて、あたしはフラついた。


顔をあげると肩で息を切らせた、お母さんの鬼の形相が目に入る。


阿修羅。すごい顔。


心のなかで呟くと、あたしは二階の部屋に駆け上がった。


お母さんの階段を上がる足音がミシミシ近づいてくる。