いちえ




「目ぇおっきー」


「………」



め、目?はっ?



言われた事の意味が分からず、瑠衣斗の瞳を見つめた。


その瞳には、やっぱり間抜けな顔をした私が写っている。



「まじで小動物みてえ」


「はあ?」



何言い出すかと思ったらホントに何言い出すの!?



何だか動揺したりした自分がバカバカしくなり、一気に気が抜けた。


「ももチワワみてー」


「物凄く嬉しくない!!」


「いーじゃねえか。可愛いんだし」



そーゆう問題!?てゆーかホントに何考えてるか分かんない!!



何だか慶兄と別れた話からかけ離れた話に、呆れるしかなかった。


チワワ…チワワって!!


この短時間で、一気に疲れた。




周りでは、ギャアギャアと騒ぐ声がする。


ようやく周りの様子を気にする余裕ができ、慶兄も普通な事にホッと安心した。



「ももちゃん」


「……なに」


「怒んないで」


「…………」



先程とは打って変わって、何故かニコニコとご機嫌そうな様子の瑠衣斗に、思わず眉をしかめた。


「…睨むなよ」


「この気分屋が」


「はあ?何なんだよ」



こっちが何なんだよだー!!!!

るぅには振り回されっぱなしじゃー!!!!



「ももこそ気分屋だし」



ポツリと言う瑠衣斗に、思わずムッとする。


「るぅには絶っっっ対言われたくない」



ホントにムカつくんですけど。