午前9時...

病室から見える雲ひとつない空を見ながら、

あたしは、前の日のことばかり頭に残ってた。

「ずっと...悠里といたい」って言われてから

拓真のことでいっぱいになっていた。



毎日お見舞いに、来てくれるようになった拓真は、

「あの先生に、お前獲られたら嫌だから見張ってる!」

何て言ってきた時があった。

どの先生のこと言ってたんだろ。

研修生の泉先生(28)のことかな...?

それはないよね...;

ないない!!

あんな、よわよわしてして脂ぎってる先生なわけない。

それとも、独身で美系で優しい品川先生(23)?

あの先生だったら...いろんな人おとしてそうだなぁ。

でも、獲られる訳ないじゃない!

拓真に聞いてみなきゃ真実つかめないよね。


あたしは拓真が学校にいる事を知ってるのにもかかわらず

電話をかけてみた。

発信ボタンを押そうとしたら、

「こらっ!!...先生言ったよね?病院ではケータイ使っちゃダメだって」

品川先生がいつの間にかあたしの病室にいた。

「先生!?いつからいたの?」

びっくりしたぁ。

さっき物音すらしなかったのに...

「さっきからいたんだけどなぁ」

先生はニコニコしながらあたしのベットに座って

ケータイを出しなって感じの手を出してきた。

「ケータイは僕が没収しとくね」

嫌だなぁ。

没収なんてされてたまるもんか!!

拓真とメールできなくなっちゃうし、もし勝手に中見られたら...

絶対イヤ!!

「分かった。電話しなきゃいいんでしょー?」

「言うこと聞きなさい!!」

その時、あたしは先生がどんな人なのか分かった。

だって、なんであたし押し倒されてるの?