本当は、逃げることだってできるのだ。 しかし私は、逃げる方法を知らない。 あの日から、私の心は一歩も進めていないのだから。 幸せだったから、大好きだったから。 「さようなら」は言わないよ。 玄関を出るとき、私は振り返らなかった。 またね、またね、またね。 もう会えないかも知れないけれど、またねって、言っておくよ。 ごめんね、上手く笑えてたかな。 ありがとう、歪んだ私の世界。