「レイス?起きてる?」


「うん。…おはよ。」


今日は仕事で、
もうそろそろ起きる時間だから、と思って声を掛けてみると、
すぐに返事が返ってきた。


元旦の翌日。


つまり2日。


まだ普通は正月休みなんだけど…、
わたしが所属している宣伝・広告部は、
春に向けた新企画を立ち上げたばかりなので、
いきなり仕事なのだ。



「レイス…、あのね、今日仕事に行かなきゃいけないの。

 だから、お留守番、お願い。」


「う、ん。」


レイスはあからさまに悲しそう…。


「一人が寂しいのは分かるんだけど…。

 そうだ!ちょっと待っててね!」


気を紛らわせるにはアレがいいんだ!


「じゃあん!ジグソーパズル!」


「じぐそぉ、ぱずる?」


「そう、この箱の絵柄になるように、中のピースを組み合わせて完成させるの。」


パズルって意外と集中できるしね!


「…わかった。これやって待ってる。」


「うん!えっと、ご飯は適当に…できる?」


「たぶん。

 チカがやるの見てたから。」


正直不安だらけなんだけど、
仕事しないと生活費がないので…。


「じゃあ、行ってくるね!

 なるべく早く帰ってくるから!」


「…うん。」


なんだか、
子犬を捨てていくような気分だぁ…。