*
「おはよっ、珪」
「……あぁ」
朝っぱらから、いつもと同じようにハイテンションな晴香。
対照的にローテンションな珪。
「昨日はごめんね、一緒に帰れなくて」
晴香は、珪がそのことを気にしているとでも思っているのだろうか?
珪からすればそんなこと、気にするに値しないのに。
「…別に。結構、よかったから」
「…?」
珪の言葉は、晴香には不思議だった。
“よかった”なんて言われると思っていなかったからだ。
「よかったって…何がぁ?」
阿呆みたいな顔で、晴香が珪の顔を覗き込む。
見るな。と、晴香の顔を払いのけて
「…なんでもない」
の一言で、さっさと歩く珪。
身長差が激しいこともあって、晴香よりも随分と歩くのが早い。
晴香は、置いていかれまいと慌てて小走りになる。
「待ってよ~」
「勝手について来い。俺は待たない」
非情にも、珪は少しも待ってはやらない。
何故こんな男の傍にいるのだ、晴香よ。
「ひどい~」
苦笑して、晴香は珪の隣についた。
「……はぁ…物好きなヤツ」
最近の女はみんなこんなもんなのか?
などと考えながら、遅刻ギリギリで校門をくぐった。
「おはよっ、珪」
「……あぁ」
朝っぱらから、いつもと同じようにハイテンションな晴香。
対照的にローテンションな珪。
「昨日はごめんね、一緒に帰れなくて」
晴香は、珪がそのことを気にしているとでも思っているのだろうか?
珪からすればそんなこと、気にするに値しないのに。
「…別に。結構、よかったから」
「…?」
珪の言葉は、晴香には不思議だった。
“よかった”なんて言われると思っていなかったからだ。
「よかったって…何がぁ?」
阿呆みたいな顔で、晴香が珪の顔を覗き込む。
見るな。と、晴香の顔を払いのけて
「…なんでもない」
の一言で、さっさと歩く珪。
身長差が激しいこともあって、晴香よりも随分と歩くのが早い。
晴香は、置いていかれまいと慌てて小走りになる。
「待ってよ~」
「勝手について来い。俺は待たない」
非情にも、珪は少しも待ってはやらない。
何故こんな男の傍にいるのだ、晴香よ。
「ひどい~」
苦笑して、晴香は珪の隣についた。
「……はぁ…物好きなヤツ」
最近の女はみんなこんなもんなのか?
などと考えながら、遅刻ギリギリで校門をくぐった。
