「これなんか愛奈に似合うよ。」


健輔は手に取ったピアスを

あたしの耳元に近付けた。


鏡で見ると

確かに綺麗だけど

いくつもの宝石が
ちりばめられた

とても大振りなピアス。

「あたしには似合わないよ…」


少し早いが
あたしにクリスマスプレゼントをくれる、と

健輔は張り切っているが
さっきから
どれもこれも

派手で目立つ
いかにもな宝石ばかりを選ぶ。


水商売の人間は

何でも派手な物が好きだと

勘違いしているのだろうか。


本当のあたしは

宝石なんて似合わないのに。


健輔はまだ
あたしの事
わかってないんだな…