かすみ草の夢

「真奈美はもし自分がもらうんならどんなのがいい?」

カンジ先輩はいくつかおもちゃを選ぶと、次の売り場へ移動しながら私に聞いてきた。

「そうですね…
大学で使える文房具か、かわいいキッチン用品とか、いい香りのアロマオイルとかかな」

「ふうん。キッチン用品とかアロマオイルなんてのは、野郎どもは使わねぇよな…

あ、でも、逆にそのギャップが面白いか。

タカにフリフリのエプロンとか当たったら、いやぁな顔しそうでいいかもな。

いや、あいつにそんなの当たったら、ゼッテー料理じゃないときに女に着せて使いそうだ。逆に喜ばせちまうか…」

カンジ先輩はクルクル表情を変えながら、なんだかよくわからないことを一人でブツブツ言ってる。

でもわかったことが一つ。

カンジ先輩の景品を選ぶ基準は、『いかに面白いか』なのね…