かすみ草の夢

「これ、お返ししますね。
すごい執念って、私にこと気味悪く思われたんじゃないですか?」

私は、照れ隠しにおどけてそう言いながらストラップをはずし、カンジ先輩の前に置いた。

カンジ先輩は優しく微笑みながら、ストラップを私の手に返した。

「いや、これは真奈美が持ってて。
俺達をつなぐ記念のものだから。
気味悪いなんて思うわけないよ。
すごく、感動した。
うれしいよ。
もっと早く思い出せなくてごめんな。
俺の気持ちはさっき言ったとおり。
真奈美が好きだ。
それは変わらないよ。
いや、話聞いてさっきよりもっと好きになった。

あの夢の意味もやっとわかった。
あれ、真奈美だったんだな」

新年会の時に聞いた、かすみ草の少女の夢のことだとわかった。

「そうかもしれません…」

「映画のポスターでアリスって子のふわふわの髪を見て、なんか初めて見た気がしなかったんだよ。
デジャヴみたいな感じで。
きっと、あの時ほどいた真奈美の髪が、すごく印象深かったんだな。
学校でパーマかけてる子なんていなかったしさ。
三つ編みをほどくとあんなふうになるなんて、俺知らなかったし」