沙織の言うとおり委員会があったが、まともに委員長の話など聞いてはいなかった。上の空。頭の中ではいろんなことが混ざり合って、爆発しそうだった。


委員会が終わって玄関に向かう廊下。足取りは重い。玄関に行ったら沙織がいる。一緒に帰らなくてはならなくなる。


そうならないためにも、ゆっくりと、時間をかけて玄関に向かおう。空が暗くなるまでになったら、いくら沙織でも帰ってしまうだろう。


トイレにでも行って時間をつぶそう。



そう思ってトイレに行った。





鏡で自分の顔を見てみた。

いかにもストレスが溜まってます的な、疲れきった顔をしていた。


昔のように明るい自分とは違っているので、なんだか自分ではないような気がしてしまう。




ふと、沙織のことを思い出す。




自分が小学校の頃、明るかったのは誰のおかげか。




それは紛れも無く沙織のおかげであった。



沙織と出会えたおかげで、今の自分がいるのだと。








そう思って、幼稚園の頃、沙織と出会った頃のことを思い出した。