香織の件は、どうやらうまくいったらしかった。




次の問題としては、自分のことだ。




何しろ、頼がまだ、理由も分からない怒り方をしているのだ。




「昨日はごめん。今日、イブなのに…陽菜、田村とどうなってる?」




「あー、大丈夫大丈夫」




「ってことは、またうまくいってないんだ…あたし、行ってくる!」




「ちょっと、あたしは平気だから…」




それに、こうなった理由さえ、まだ把握は出来ていない。




「今から、自分で行くよ」




あたしは、鞄の中のプレゼントに触れながら言う。




やっぱり、クリスマスプレゼントは、当日に渡したい。




あたしだって、ちょっとは女の子なんだから。