もしかして、さっきの話…聞いてた?


まいまい、幸せになれよ。
俺がお前を守る役目は、終わったんだから。


俺が今守るべき女の子は、美智子ちゃんなんだ。


「あはは、まいちゃんに悪い事しちゃったかな」


「いーんじゃん? たまには」


「ふふ、そうかな」


イタズラした子供みたいに、笑う美智子ちゃん。


「美智子ちゃん」


「ん?」


「今度は、二人でデートしよっか」


「…うん!」


そう言って、笑顔で答えてくれた。


「どこ行きたい?」


「えーっとね、遊園地と、水族館と、映画館とー…」


「え? そんなに?」


「うん、私我が侭だから!」


それは、我が侭とはちょっと違うような気もするけど。


「じゃー、行きたいとこ、全部消費していくか!」


「うん!」


この夏は、美智子ちゃんとのデートで、忙しくなりそう。




セミの鳴き声がする。
でも、その鳴き声が、今は何故か心地よかった。


この夏は、美智子ちゃんとのデートで忙しくなりそう。