続☆侍先生!


しばらくすると、誰かの携帯の音が聞こえる。
この着うたは俺が設定したやつじゃない。


「あ、私だー。 あっ、侍先生っ!」


「出るんだったら廊下いけよ」


「あーい! ちょっとラブラブ電話してきまっす!」


そう言って、部屋を抜け出す。
美智子ちゃんは何故か嬉しそうに笑っている。


「どうしたの?」


「ううん、まいちゃんてほんと、倖田先生が好きなんだなって思って」


毎日、ノロケ話や愚痴を聞かれてるけどね。


「あ、ごめんなさい!」


「…え? なんで謝るの?」


「えーっと、だって」


モゴモゴと、口を動かしている美智子ちゃん。
まさか、まだ俺がまいまいの事…。


「昔さ、まいまいがセミをつかまえてきてさ」


「…え? …う、うん」


「毎日ミンミン泣くし、うるせえのなんのって」


まあ、セミだし仕方無いんだけど。


「でもセミってさ、寿命短いじゃんか。 夏休みまだまだ残ってる8月の頭くらい、だったかな。 飼ってたセミが、死んじゃって


もう、その日からまいまいの泣き声に変わって、ずーっと泣いてんの。


なんかそれがセミの泣き声より、スゲー嫌だった」


好きな女の子が、ずっと泣いてる。
それが子供ながらに凄い嫌で。


「だから、セミの墓を作ったんだよ、公園に。 安心して天国に行けないだろうから、もう泣くなって言ったら、それからウソみたいに泣かなくなって」


美智子ちゃんはただ、俺の話を聞いている。
ほんとはこんな話、聞きたくないだろうけど。


でも、聞いてほしい。