美智子ちゃんはいつも笑顔で、文句もワガママも言わない。


それに比べて…


「あー、チョコケーキがいい!」


食べるの二回目のくせに一番先に欲しいケーキを選ぶまいまい。
自分の家から持ってきたケーキとはいえ、美智子ちゃんに気を使えばいいのに。


「あ、私なんでもいいから…勝男くんはどうする?」


「いや、俺もいいよ。 美智子ちゃんが選んで」


そう言って、美智子ちゃんが選んだのはショートケーキ。
余ったのはモンブラン。


俺がモンブラン好きなの、分かってるんだろうな。


「てゆーか、まいまい。 いつまでいんの?」


「え? ずっといるけど? 今日ヒマだし」


…なんだって?


「そうだよねえ、まいちゃんも一緒に遊ぼうよ」


美智子ちゃんも笑ってそう言う。
まあ、美智子ちゃんがいいならいいんだけど。


「ウィーしようよ、ウィー。 カーレースのやつ」


まいまいがゲーム機の電源を入れる。
まだやるっていってないんだけど。


「美智子ちゃんは、何やりたい? ソフト選んで」


そのへんに置いてあった、多人数で出来るソフトを渡す。
美智子ちゃんは色々目を通したあと、ソフトをこちらにかえしてきた。


「ゲームはよくわかんないから…まいちゃんが言ってたやつがやってみたいな」


「ウィー、ムッシュ!」


まいまいはカーレースのゲームソフトを入れた。


美智子ちゃんがビリだった。
まあ、ゲーム苦手って言ってたしな。


でも、楽しそうにしてるから、良かった。