急いで掃除するほど、部屋は散らかってない。
寝まきのままだった服を着替えて洗面所に向かう。
「ねー、カツオー」
まいまいの声。
「なによ」
「ケーキまだあまってるから持っていこーか?」
「お、いーの?」
「いーよぉー」
とかなんとか言いつつ、見にきたいだけじゃないのかと思う。
ピンポーン、と音がして、玄関に向かう。
「いらっしゃーい」
玄関のドアを開けると、夏の暑さからの熱気が感じる。あと、セミの音。
信長うるせえよ、マジで。
それと、美智子ちゃんの姿。
Tシャツにショートパンツという服だったけど、それが似合ってる。
美智子ちゃんてワンピースとか着そうなイメージあったけど、こういうのも似合う。
やっぱ可愛い子って何着ても似合うんだな。
「こんにちは。 …あ、まいちゃんも居たんだ」
「こんにちは、美智子ちゃん。 あとでケーキもってくね!」
「ふふふ、ありがとう。 なんかまちゃん、カツオくんのお母さんみたい」
嫌な顔ひとつせずにまいまいと喋ってる美智子ちゃん。
まいまいにヤキモチとかは、焼かないんだろうか。