誕生日プレゼント、なんてもらうん何年振りやろ。
俺はすごい嬉しかった。
「えへへ、どういたしまして。 安物ですけど…」
中を開けたら、万年筆が入っていた。
「なんか万年筆って、先生のイメージなんですよ」
と、真帆は言った。
「ありがとう、使わせてもらうわ」
「あと、さっきの話考えといて下さいね?」
「さっきの話?」
「私と、付き合うこと」
「…あれは、冗談やろ?」
「本気ですよ?」
本気、なんか。
「まあ考えとくわ」
そう言うと、真帆はニコッと笑った。
「せいじー! 誕生日おめでとう!」
次の日学校に行くと、姫条がそう言ってきた。
「侍先生から聞いたんだー! これ誕生日プレゼントー」
と、言ってアメちゃんを渡してきた。
お前は大阪のオバちゃんか。
「あ、その胸ポケットに入ってる万年筆かっこいいー! どうしたの?」
「これか? もれはもらってん」
ふーん、そうなんだ。と姫条。
興味無いんやったら聞くなや。
とにかく、ハッピーバースデー俺。